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染色加工いろいろ

趣味でなく、工業的に行う染色加工に関することを書いています。

機能加工等3

機能加工

柔軟加工、硬樹脂加工について。

 柔軟加工はいろいろな方法があるのですが、薬品を用いて行ったり、PETの場合減量加工を行ったりします。また性量をいじって風合を柔軟にしたり、条件設定を見直したり、それらを組み合わせて数値に現れない風合を作るのが加工場のノウハウでしょうか。薬品のみ用いた柔軟加工は、ボリューム感やぬめり感が出たりと、分かりやすい風合が出せますが、耐久性、黄変、色相変化等の問題があります。

 

 硬樹脂加工は樹脂を含浸、若しくはコーティングし、硬い風合の生地に仕上げるもので、樹脂塗布面を引っ掻いても白化しないこと(チョークマーク)、生地を曲げた際に樹脂が割れないこと(剛性)、耐水性があること(洗濯耐久性)等が求められ、メラミン樹脂というこの用途には最適の樹脂がありますが、ホルムアルデヒド(ホルマリン)を含んでいますので、近年使用が出来なくなってきました。

 その他ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等様々な種類の、様々なグレードがありますので要求とコストに応じ選択、使用します。

機能加工等2

機能加工

機能加工は染色機で行う吸尽法と、テンター等乾燥設備に付随した設備で行うパディング、又は生地片面に薬剤、樹脂を塗布するコーティングがあります。 ポリエステルのSR加工、防炎加工は吸尽法が向いていますし、樹脂加工は染色機で行う訳にはいけませんので、パディングまたはコーティングと、それぞれ加工に応じて処理の仕方が変わってきます。 

パディングは薬品が入ったパッド浴に生地を漬け込み、マングルで絞って乾燥するという加工法です。マングル圧により絞り率が変わってきますが、ピックアップ率という項目で管理します。これは乾燥生地重量が例えば100KGで、薬品に浸漬し、絞った後190KGであれば、ピックアップ率90%になります。 

コーティングはロールコーター、グラビアコーター、ドクターナイフ、スプレーコーティング、泡加工等様々あり、生地と施したい加工により最適な設備を選択、使用します。 

コーティングに関して上記全ての設備を揃えている工場は恐らくありませんので、導入設備により各加工場の得手不得手がなんとなく分かるのではないでしょうか。

機能加工等1

機能加工

機能加工の中でも基本的な撥水加工、吸水加工について書いていきます。

まず撥水加工についてですが、文字通り水をはじく加工で、更に油分を弾く場合は撥水・撥油加工と呼ばれます。撥水加工はあくまで水を弾く加工であり、耐水圧はありませんので、防水加工とは区別して考えなければいけません。

 撥水加工剤には、ワックス系、シリコン系、フッ素系があり、撥水性に加え撥油性も付与できるのはこの内、フッ素系の薬剤のみです。

 撥水加工はSG(Soil Guard加工と呼ばれることも有り、汚れを弾いていしまう防汚加工のことで、フッ素系薬剤を使用すると、水系の汚れに加え、油系の汚れも防ぐことができます。

 要求される撥水度、生地風合により適切な薬剤を使用することが肝要です。

 吸水加工は撥水加工の逆で、吸水性を付与する加工です。

 同時に柔軟加工になる場合が多く、また薬剤によっては黄変を助長する場合もあります。

 ポリエステルに施される場合SR(Soil Release)加工と呼ばれ、撥水性のポリエステルに親水性を付与することで、洗濯時に汚れを落としやすくすることを狙っています。耐久性、黄変度合、風合を考慮し適切な薬剤を選択します。

試験法は多々ありますが、簡便さから撥水性はスプレー法、吸水性は滴下法で性能を確認することが多いです。

無題

新年明けましておめでとうございます。

前回から大分間が空きましたが、年末年始進行で書く暇がありませんでした。

繊維関連は相変わらず2018年も明るい話題は特に無いようです。

米大統領選の結果、TPPについても先行き不透明となり、日本製の高機能繊維製品をアメリカ市場に売り込むというのも難しくなったようで、また業種は違いますが、トヨタのメキシコ工場建設にまで名指しで口を出され、繊維関連でメキシコに進出している企業も戦々恐々しているのでは無いでしょうか。

NAFTAがありますので、すぐさま影響が出る訳ではないでしょうが、やはり基軸通貨を発行できる国の強さは別格ですし、現状が行き過ぎたグローバル化状態なのか色々解釈があると思いますが、そう感じているアメリカがもし孤立主義に舵を取ると、世界がきな臭くなりそうです。とにかくTPPによる中国外しが難しい状況となるのがなんとも。

 

さて、前回まで染色工程について書きましたが、次回より後加工、機能加工等について書いていきたいと思っています。また繊維製品品質管理士を取得した技術者が目指す次の段階、技術士(繊維部門)についても、経験を踏まえ、いずれ書いてみたいと思っております。

綿、レーヨン染色について3

染色 現場加工

反応染めの堅牢度が取れない場合、洗濯堅牢度であれば水洗、湯洗、ソーピングが不十分、または色止剤の種類、量の検討が必要です。現場加工時湯洗、ソーピングの残液の色を確認して、洗い回数を調整するのが常道でしょうか。

 反応染料用色止め剤はカチオン性ですし、また耐光性、吸水性が低下する場合がありますので、確認が必要です。

洗濯堅牢度が良好で摩擦堅牢度が悪い場合、染色工程での改善は難しく、生地にシリコン等を処理し、滑りやすくさせ、摩擦係数を下げる方法があります。スポーツ用途で要求される汗耐光堅牢度が悪い場合、染料から見直しが必要になります。

 反応染め染色品の減色の処方ですが、一例としてソーダ灰10-30g/l ハイドロサルファイト3-5g/l 浴中柔軟剤適量で80-90℃30分-水洗、中和です。ソーダ灰の替わりに水酸化ナトリウム適量を使用すると効果も高いのですが、生地を傷める場合が有ります。

綿、レーヨン染色について2

染色 現場加工

 反応染料を用いた染色についてですが、反応染料は湿潤堅牢度良好、色相も鮮明で現在綿、レーヨン染色の主流となっています。

 他の染料がファンデルワールス力、水素結合、イオン結合で繊維と結びつくのに対し、反応染料は共有結合のため、理論上はこれ以上の染料はありません。現実には染色対象が短繊維なので、摩擦で繊維が滑脱し色落ちに見えたり、汗耐光が悪いものがあったりと、段違いに良いという訳でもないように感じます。

 染色操作が少し煩雑で、また染着率が低いため排水負荷が大きいですし、塩(えん)を大量に使用する、浴比の影響を受けやすい等の問題もあります。

 染料分子の反応基によって染法、染色温度が変わるのですが、例えば二官能型の染料Sumifix Supraであれば、40℃で均染剤、浴中柔軟剤、染料を投入、10分おきに芒硝(1/5)、芒硝(4/5)、ソーダ灰(1/5)、ソーダ灰(4/5)を順次投入、60℃に昇温30分前後染色後、水洗、湯洗、必要があれば色止めといった感じです。

 芒硝、ソーダ灰はそれぞれ一度に投入すると、まず染めムラになりますので分割投入するのと、ソーダ灰でアルカリにして固着させるのですが、分割投入してもムラになる場合は、ソーダ灰を投入する前に弱アルカリの酢酸ナトリウムを若干投入することで(2g/l)ムラが改善されるかもしれません。

 芒硝、ソーダ灰の量は対象素材、染料濃度で変わりますので一概に言えません。染料メーカーの推奨量を参考に、自社に合うようビーカーをして下さい。

 また反応染めは浴比の影響をかなり受けます。例えば浴比10でレシピを組んで、浴比30で染色しなければいけない場合、芒硝を浴比倍投入すれば(この場合3倍)、そこそこ色が合うと思います。

綿、レーヨン染色について1

染色 現場加工

 綿、レーヨンは直接染料、反応染料、硫化染料、バット染料、ナフトール染料を用いて染色しますが、浸染において比較的使用頻度の高い直接染料と反応染料について書いてみようと思います。

 直接染料についてですが、反応染料が主流の現在、堅牢度があまり良くない直接染料はメインで使うものでは無くなっています。

堅牢度が要求されない、安くしたい、混紡混繊品でレーヨンの部分に少し色を付けたい等の理由で使用することが多いかと思います。

直接染料には一般、高級、後処理の3タイプありますが、繊維の染色には高級直接染料が比較的堅牢度が良く、扱いやすいためよく使用されます。

染色法ですが、90-98℃で20-50分 均染剤、浸透剤、精錬剤、直接染料、芒硝です。pH調整は特に行いません。染めムラになる場合は芒硝を分割投入、若しくは昇温してから投入しますが、これは直接染料の種類によりますので一概には言えません。

水洗後色止めをしますが、色止めの種類によっては染上りからかなり変色するので確認が必要です。

正直それほど扱ったことが無いので詳しいこと、注意すべき点などあまり思い浮かびません。

次の反応染料はもう少し詳しく書けると思います。