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染色加工いろいろ

趣味でなく、工業的に行う染色加工に関することを書いています。

実践編 ポリエステル染色1

染色 現場加工

ポリエステル染色

ポリエステルの染色には分散染料を用います。

 分散染料は水に不溶性のため、洗濯堅牢度は比較的良好で、よっぽど濃色にしないかぎり問題になることはまずありませんが、一方昇華堅牢度に注意が必要です。

 染色温度は130℃が一般的ですが、極淡色は95℃でも染まりますし(キャリヤー不使用)、濃色では135℃まで昇温した方が効率が良い場合があります。アゾ系染料がほとんどですが、鮮明な赤等にアントラキノン系の染料があり、これは金属イオンと反応して色がくすんだり、また分散剤との相性が悪い場合、濃い点状に染まったりします。

 分散染料は様々な種類のものが上市されていますが、主流はラピッド染料、AC-E,UN-SE,PLUS(DIANIX),RPDシリーズ(住友)等です。これらは3原色で染足が揃っており、また配合染料ですので染めムラになりにくく、広く使われています。

 分散染料には分散剤が配合されており、重量換算で約半分が分散剤ですので、染色時淡色には助剤として分散剤が必要ですが、濃色には必ずしも必要ではありません。

 染色法は130℃×10-30分、染料、分散剤、精錬剤、酸(pH4.0前後)で、濃色の場合90℃×10分の還元洗浄が必要です。

還元洗浄は水酸化ナトリウムとハイドロサルファイト、ソーピング剤を用いますが、染色同浴でSR加工をした場合、水酸化ナトリウムは初期性能を低下させますので、ソーダ灰の使用を検討しなければいけません。

 ポリエステルの染色は、高圧染色機があれば比較的容易な部類だと思いますが、それでも染めムラになる場合があります。

規則的な筋ムラの場合は糸の熱履歴が違うことが考えられますので、予備セット条件を見直すとか、ランダムな筋ムラの場合、液流染色機のノズル径があっていない、浸透剤を追加する、ランダムなムラであれば染料の選択、分散剤の種類、量、また昇温カーブを見直すといったところでしょうか。

 ロットで色ブレする場合、グレーとかサックス系が恐らく多いと思いますが、分散染料3原色の内、青は淡色、極淡色ではブレやすいので、酢酸と酢酸ナトリウムを併用して緩衝液とすることで、青味が強くなる現象が緩和されると思います。

 あとは分散染料は吸湿し易いので、湿度管理した部屋で保存するとかですかね。

 また、分散染料は溶解した際、文字通り水に分散していますので、その分散状態を壊す行為、熱湯で溶くとか、激しく撹拌する等はしてはいけません。